私たちアジア・アフリカ研究会は4/26〜5/6の12日間、鹿児島県肝付郡南大隅町根占へ行って参りました。今年は3年生2人、二年生4人、一年生1人(トップ写真の彼)の計7人の参加となりました。
からいも交流とは

都市部の大学で学んでいる留学生たちに日本の地方の実態を知って貰いたいという思いから設立されたNPO法人「からいも交流」が、根占の春合宿を受け入れてくださっている農家さん方の受け入れ体制の起原となります。学生受け入れも今年で36年目を迎えます。日本の大学生に限らず、日本の都市部へ留学をしている世界中の学生がここ根占の農家さん方と交流をし、見聞を深めてきました。
我々A・A研のOGである梅木涼子さんを第1期生として受け入れられて、今年で22年目を迎えます。ここまで永い関係が続いてきましたのも一重に受け入れ農家さんがたのあつい御厚意があってこそのことでございます。本当にありがとうございました。
受け入れ農家さん紹介
大久保家

旦那さんの弘行さんと奥さんの幾美さん。めちゃくちゃ仲がいいです。からいも交流第一回目からの受け入れ農家さんです。この36年間、世界中からの留学生を受け入れられてこられました。今は和牛の生産農家(お母さん牛の世話をし、牛の赤ちゃんを育てる)をされてらっしゃいます。
幾美さんは灰汁巻き作りのプロで、餅米から作られているのは根占では幾美さんだけです。

灰汁巻き、鹿児島県ではちまきと呼ばれ、餅米に草木灰を染み込ませて竹の葉で包んで蒸します。灰と餅米によって味が変わるため、家ごとにそれぞれの味があり、同じ味はないという魅力があります。
小濵家

旦那さんの洋一さん、奥さんの和美さん、ご夫婦共に実家は農家ですが、脱サラをして地元で就農され、ピーマンのハウス栽培をされています。洋一さんのお父さんは南大隅初のハウス栽培実践農家、いわゆるパイロットファーム世代でした。その開拓精神は今の洋一さんにも受け継がれ、毎年新しい設備機材や栽培方法を地域に先駆けて導入されてらっしゃいます。


今年開催された根占看板コンテストの小浜集落出展作品。洋一さんが手がけました。
後藤家

旦那さんの望さんと奥さんの千佳子さん。バブル真っ盛りのご時世でIターン就農されました。ピーマンのハウス栽培からはじめ、現在は和紅茶の完全有機栽培をも手がけています。昨年度に見事JAS登録をするにいたりました。
お二人とも、サラリーマン時代は営業職を勤めてらっしゃった経験を生かし、栽培された紅茶葉を自ら営業し、独自の販売先を開拓されてらっしゃいます。
千佳子さんのFacebookです。お茶の成長や作業の進捗具合を定期的に投稿されています。
https://www.facebook.com/chikako.goto.773
天空の茶園、ここをご夫婦で管理されています。
富田家
旦那さんの昭仁さん、奥さんの睦美さん。鹿児島県でも有数の規模を誇るバラの水耕栽培農家です。実は鹿児島では毎日朝と夕方の二回墓参りをし、その度に花を替える習慣から、鹿児島県の花の消費量はなんと全国一位であります。その需要を支える形で花器類の温室栽培が鹿児島県では盛んで、私営の卸売市場も設営されています。
しかし、近年中国等のアジア近隣諸国からの花器類の輸入が拡大し続けており、日持ちがするゆりなどは価格競争で対抗できなくなってきているため、現在は日持ちがしにくいバラの栽培に専念してらっしゃいます。

富田バラ園ではネット通販も受け付けてらっしゃいます。詳しくは下記のリンクへ
http://nouson-map.rosering.jp/cgi-bin/list/index.cgi?keys2=1&keys10=%28%97L%29%95x%93c%83o%83%89%89%80&print=1&tid=list2
池之迫家

旦那さんの博さん、奥さんの愛子さん。露地多品目栽培農家さんで、受け入れ農家さんの中でもっとも多様な作物を栽培されています。スナップエンドウ、ジャガイモ、タバコ、タンカン…南の温暖な気候だからこそ一つの作物が不作になったり、逆に豊作になりすぎて値崩れを起こしたとしても他の作物で補填させることができるのでリスク分散をすることができるそうです。
また、収穫や芽かきなど人手のかかる作業が多いため、多数のパートさんを一手に雇われてらっしゃいます。(すごい組織運営力…)
田淵家

旦那さんの悦二さん、奥さんの和枝さん。ミニトマトのハウス栽培をされてらっしゃいます。悦二さんは一代で南大隅町最大のハウスを建設するまでに急拡大させました。
今年から息子さんである格さんにへと代交代し、法人化。格さんがNejime Green Planetの社長に就任されました。また、今年からトマトのストレスを軽減させることを目的にイスラエル製のハウス自動制御システム「Galcon」を導入するなど、時代の趨勢を見極めての経営をなされています。
白マルチと斜め誘引を採用してらっしゃいます。
半田家

旦那さんの太志さんと奥さんのより子さん。太志さんは実家が農家で、森林組合に勤められた後、サツマイモ農家として就農されました。焼酎用、食材用両方のサツマイモを栽培されてらっしゃいます。
ちょうど春合宿の時期は苗を植える作業の真っ盛りで、一年で一番忙しい時期です。毎年この時期になるとどこのサツマイモ農家も親戚や近所の人を掻き集めて総出で作業します。
植えたばかりの苗はまだ根を一切持たないので、積極的な吸水ができません。ですので、雨が降りがちのこの時期に植えるのが一番苗にとって根を張りやすい時期になります。
堀口家
旦那さんは善史さん、奥さんが明子さんです。お二人のは鹿児島県立農業大学校の同級生です。ふみあちゃん、あやかちゃん、かのんちゃんの可愛い三姉妹の子供がいます。
ブロイラー生産農家で、鹿児島くみあいチキンフーズへと全て出荷してらっしゃいます。
ここを毎日歩き、弱っている個体、成長が遅い個体を淘汰します。平均孵化後50日後に出荷します。
大杉家

写真の大杉祐輔さんは我らがA・A研のOBであり、農大卒業あとは栃木県の那須にある帰農指塾に通われた後、ここ根占へと鶏卵農家として就農スタートされました。
今回の春合宿が初の学生受け入れとして、家の隣の畑を開墾いたしました。まずは落花生やレモングラスを育てていくそうです。
これからの就農がうまくゆき、経営が軌道に乗ることを会員一同心より願っております。
はえんかぜ
根占の農家さんが交流を目的に組まれた組合です。毎年順に畑を共同で管理し、みんなで収穫をする行事が執り行われます。今年もA・A研もお手伝いさせていただきました。
町内視察
今年も役場のご厚意により、根占の様々な場所への視察、体験をさせていただきました。
十津川農場(根占びわ茶園)

根占の伝統的な健康茶であるびわ茶を栽培、加工されている農業法人です。ここでは栽培技術からトルマリン石焙煎と行った加工技術までを教えてくださいました。
十津川農場公式ホームページはこちら→http://www.totsukawa.co.jp/
雄川下り
根占の真ん中を流れる雄川を海に向かって下って行きました。途中で潮が満ちてしまい断念せざる終えませんでした。

ここ雄川では毎年自治会ごとにチームを組み、ドラゴンボートというカヌーでのレース大会が開催されます。
葉っぱDELI
地元の農家さんの作物を最大限に生かしたメニューが売りのおしゃれなカフェレストランです。ここでお昼をご馳走になりました。
葉っぱDELIのFacebookアカウントはこちらhttps://www.facebook.com/%E8%91%89%E3%81%A3%E3%81%B1%EF%BD%84%EF%BD%85%EF%BD%8C%EF%BD%89-405384156217071/
楽塩
佐多岬の浦が新月と満月になる時だけに現れる海水を組み上げ、昔ながらの釜茹式で丁寧に旨味だけを拾い上げた塩を作られています。ご夫婦共に純朴で素敵な方でした。
通販をされています→http://www.osumihanto-yokadoichi.com/rakuen/